美術館について
千住博
異質なもの同士がハーモニーを奏でたときに、本当に美しい調和が生み出される、と私は常に思っています。この美術館も、先進的な建築家と組ませていただくことによって、いままでどこにもなかった新しい空間が出現したらいいなと思っていました。そして、本当に世界どこにも見たことのないような、まったく新しい創造的な空間がここに現れました。私はこの美術館を、豊かな自然に囲まれた避暑地でもあるこの場所だからこそあり得る、光あふれる、明るい美術館にしたいと思っています。その中で、私の作品を年代を追って、観ていただくことのできる、理想的な空間です。 多くの方に観に来ていただいて、美しいものを観たなと、勇気が出てきた、生きる力が湧いてきた、新しい発見があった、そのような体験を、もしこの美術館でしていただけることが出来るのであれば、もうそれにまさる喜びはないですね。
千住博(せんじゅ ひろし) 略歴
Photo: Kazuya Yamaguchi
日本画家、1958年、東京都生まれ。
- 1982年
- 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業。
- 1984年
- 同大学院修士課程修了、修了制作東京藝術大学買上。
- 1987年
- 同大学院後期博士課程単位取得満期退学、
研究制作東京大学買上。 - 1995年
- 第46回ヴェネツィア・ビエンナーレ(イタリア)にて東洋人として初の名誉賞受賞。
- 2006年
- 第6回光州ビエンナーレ(韓国)に出品。
- 2007年
- フィラデルフィア「松風荘」の襖絵を制作。
- 2009年
- ベネッセアートサイト直島石橋プロジェクト 母屋公開。
- 2010年
- APEC JAPAN 2010首脳会議にて現代日本画による会場構成を担当。
- 2011年
- 第5回成都ビエンナーレ(中国)に出品。
軽井沢千住博美術館オープン。 - 2013年
- 大徳寺聚光院(本院、別院)襖絵完成。
- 2015年
- 第56回ヴェネツィア・ビエンナーレ(イタリア)に出品。
- 2016年
- 世界遺産・薬師寺に作品収蔵。
平成28年度外務大臣表彰受賞。 - 2017年
- イサム・ノグチ賞受賞。
- 2018年
- 日米特別功労賞受賞(ニューヨーク商工会議所)。
- 2018-20年
- 『高野山金剛峯寺襖絵完成記念千住博展』巡回展。
- 2021年
- 第77回恩賜賞および日本芸術院賞授与。
- 2022年
- 2022年 日本芸術院会員に任命。
第4回日米協会金子堅太郎賞特別賞受賞。 - 2023年
-
ヴィクトリア&アルバート博物館に収蔵、現在常設展示中。
これまでにメトロポリタン美術館、シカゴ美術館、ブルックリン美術館、ネルソン・アトキンス美術館、ロスアンゼルス現代美術館、ロスアンゼルス・カウンティ美術館、ロイヤル・オンタリオ博物館、サンフランシスコ・アジア美術館、国立故宮博物院などに収蔵され、随時展示されている。 - 2007-13年
- 京都造形芸術大学学長。現在は京都芸術大学教授。
千住博ホームページ
https://www.hiroshisenju.com/